このブログは、中将棋や大将棋などの古将棋、変則チェス・古チェスやフェアリー駒など、             現代では忘れ去られてしまった将棋やチェスのルールや駒たちを再発見・ご紹介していくブログです。              古いものを再発見して、新しい将棋やチェスの文化を発信していけたら、という意味があります。               
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2013年09月29日 (日) | 編集 |
定跡編part1,part2にて、対局開始から5手目までの手順を解説しました。

では、この後どうすればいいの?とは至極真っ当なご意見です。

実は中将棋の戦略で大きく変わってくるのは6手目からなのです。

急戦にするか持久戦にするかなど、指し手の性格や得意によって変わってくるので
一概にどのような指し手がいいかということを断言することができません。

ただ、このように指せば、こういうような展開になります。
ということが、解明されつつあるので、それをお伝えしたいと思います。

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まず、どの戦型においても共通して目指すべき形というものがあります。

それが、下の図のような形。

1.▲(先手)78獅 2.△(後手)75獅 3.▲88歩 4.△55歩 5.▲67獅(part2まで)
から、6.△35歩 7.▲38歩 8.△15歩 9.▲18歩 10.△14横 11.▲19横
12.△a5歩 13.▲a8歩 14.△c5歩 15.▲c8歩 16.△c4横 17.▲c9横
18.△85歩 19.▲58歩 20.△b5歩 21.▲b8歩 22.△25歩 23.▲28歩(下図)
講座3-1

両側の歩が一列に並んでいます。兵隊が一列に並んでいる陣形を
"ファランクス陣形"といいますが、まさにそのようです。("中将棋あれこれ"でこう言われていました。)

中将棋では"高獅子"を取った後にこのような形を目指すのが基本的です。
もちろん、例外もあるということですがまず基本から。

なぜこの"ファランクス陣形"を目指すことをお勧めするかというと、
理由は2つあるのですが、獅子に歩を取らせないためというのが一つめの理由です。

講座3-2

たとえば、上の図のようにこちらの陣形が穴ぼこだと、

講座3-2a

このように獅子が乗り込んできてしまいます。
少なくともこちらの仲人が居食いされてしまいますね。

もし歩が一列に並んでいたら、獅子と言えども駒を取ることはできません。


もう一つの理由が、横行の利きを通すことです。
横行は文字通り横にどこまでも進める駒で、中将棋では守りの要になります。

最初に"ファランクス陣形"を目指すために歩を上げるといいましたが、
同時に横行を上げて4段目の利きを通すことが重要なのです。



…とは書きましたが、
利きを通すといっても完全には通っていないじゃないか、とか
別に今じゃなくても、後でその準備をすればいいじゃないか、とか

色々な疑問が飛んできそうですが、これを別々に説明すると
少しややこしくなってしまうのです。

ですが、このスタンダードな形を知っておくことが始まりだと思いますので、
"ファランクス陣形"を目指すことをまず覚えておくことをお勧めします。

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今回はとりあえず、ここまでにしておきましょう。

中将棋ではこの形を目指すことが"駒組み"の準備になるので、
(このブログでは)短いですが、これを覚えておいてください。

次回はその駒組みについて取り扱うことにしましょう。

中将棋講座part4 ~駒組み・小駒の活用~に続きます。


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2013年08月30日 (金) | 編集 |
前回の記事では、獅子の居食いを防ぐために、
序盤の2手でお互いに獅子を上がる形が多いのだ、という話を書きました。

講座1-1

1.▲(先手)78獅 2.△(後手)75獅 3.▲88歩 4.△55歩 5.▲67獅(上図)

前回は1.▲78獅に対して2.△75獅とする手が、仲人を守るための手である、
ということを、"獅子の居食い"とともに説明しました。

今回はその続きで、3-5手目がなぜこのように指されるのか、
ということを"獅子の足ルール"とともに説明していきたいと思います。

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中将棋において、"獅子"という駒はなくてはならない花形の駒なのです。
そのため、中将棋には獅子の特殊ルールというものがいくつかあります。
→ウィキペディア(獅子の特別ルール)

ウィキペディアによると、獅子の特殊ルールは
"先獅子"というものと"獅子同士の取り合い"の2つがありますが、

今回取り上げるのは後者の"獅子同士の取り合い(獅子の足)ルール"です。

獅子の足ルールとは、獅子に味方の駒が利いており、すぐに取り返せるとき、
この獅子は相手の獅子によって取られない。(ただし隣接8マスを除く)
というもの。

これを少し丁寧に説明しましょう。
※ウィキペディアにも書かれていることを丁寧に書き直しているだけです。
※また、かげ足,付け喰いの説明は省いています。

下の局面でこちらの獅子は、(仮に相手の獅子で取られても)
こちらの飛車ですぐに取り返せる状態です。
講座1-5

このとき獅子の足ルールにより、相手の獅子は何もできません。

ですが、下のようにこちらの獅子が
飛車のカバーしている部分から外れてしまった場合、
講座1-5a 講座1-5b

こちらの獅子が相手の獅子に取られてしまっても、相手の獅子を
すぐに取り返せる状態ではないので、獅子を取られてしまいます。

もちろん、動いた先のマスがほかの駒で守られていれば、
獅子の足ルールが適用されているため、こちらの獅子が取られることはありません。
講座1-5c

このように獅子が動いた先のマスが、(ほかの)味方の駒で守られていれば
相手の獅子によって、こちらの獅子が取られることはありません。

なぜこのようなルールがあるのかって?

獅子は中将棋の花形なので、すぐに取られてしまったら面白くないでしょう。
→このこともウィキペディアに書いてありましたが。

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ここまで、獅子の足ルールを説明しましたが、
このことが最初の図の、3-5手目がなぜこのように指されるのか、
という問いに答えるためのヒントになっています。

1.▲(先手)78獅 2.△(後手)75獅と指したところで(下図)、
講座1-4

次に先手は3.▲88歩と指しますが、これは下図の矢印のように
その次に▲56獅と仲人を取りに出ていきますよ、と示す意味があるのです。
講座1-6

先ほど説明した、獅子の足ルールにより、3.▲88歩と指した局面で
56の地点を馬で守らせているので(獅子のかげになっていますが)、
▲56獅と指されると、この獅子を後手の獅子で取ることはできません。

こうなると、後手は56の地点を守る策を考えなければなりません。

陣地を広げながら、△55歩として56の地点を守る手がもっとも建設的でしょう。
(獅子を右に一つずらすという手もありますが、
陣地を広げることものちのち重要になってきます。)
講座1-6a


ここでもし、4.△55歩とせずに4'.△85歩とすれば、
講座1-6c

56の地点が守られていないので、次に仲人を居食いされてしまうことになります。
※ただし、2.△65獅とした場合は3.▲58歩から4.△85歩が正着になります。

つまり、最初に申し上げた定跡の4手目△55歩は、
2手目と同じように先手の攻撃から仲人を守る、という意味を持っています。

※あえて仲人を取らせて先手の獅子を罠にはめる戦法もあります。
詳しくは→後手番遅獅子戦法(中級者向け)

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続いて5手目に、▲67獅とする手が示されていますが、
これも、獅子の足ルールによって説明できます。

講座1-1

最初に7段目に獅子を置いてしまえば、後手は同様に△76獅とできません。
獅子の足ルールは相手獅子の隣接8マスでは効果を発揮しないからです。
(獅子を居食いで取ることは許可されているのです。)

つまり先手が、5.▲67獅としなければ、(たとえば▲58歩を指したとしましょう)
後手が先に△76獅としてしまうことになります。

自陣から6段目の位置に獅子が居座ることを"高獅子"といいますが、
この位置に獅子がいることで、先手は5段目までを有効に陣を広げることができ、
後手の獅子が前に出てくることを阻止しています。

"高獅子"は一般的に先手のみが握れる特権なので、
定跡的に5.▲67獅とする手が良く指されています。

ただし、先手をもって"高獅子"を取ることがそれほど有利であるかどうか
ということはよくわかっていません。先手であっても、5.▲67獅とせずに、
他の筋の歩を突いたり、駒の展開を優先して行う指し方もあります。

中将棋を初めて間もない方は(先手であれば)とりあえず、
5.▲67獅と高獅子をとることをお勧めしておきます。

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ここまで2つの記事にわたって、開始から(たった)5手までを解説してきました。
しかし、この5手には"居食い"と"獅子の足ルール"という
中将棋ならではの特殊なルールがふんだんに使われています。

中将棋を指す際には、序盤でなくともこの2つの要素が非常に重要になって
くるので、序盤の定跡とともにぜひとも覚えておいてください。

中将棋講座part3? ~ファランクス陣形を目指す~に続きます。

…とその前に、中将棋の駒を本当にすべて覚えていますか?
中将棋講座part0 ~駒の動きをイメージして覚える~
全部覚えきれない!なんて方は、駒の動きをイメージで覚えてみてはいかがでしょう。
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2013年08月27日 (火) | 編集 |
中将棋で最強の駒はズバリ"獅子"です。

獅子3_move

獅子は"1手以内に王の動きを2回することができる"という駒で、
ドラクエでいえば、はやぶさの剣やキラーピアスを装備しているような、
2回行動をすることができるチート性能を持っている駒です。

そして、中将棋の始まりから数手は、この獅子を動かす場合がほとんどなのです。
本将棋で角道や飛車道を開けるように、チェスでe4とするように、
最初に獅子を動かすのは、定跡のように捉えられています。

講座1-1

中将棋で最もよくある序盤の形:1.▲(先手)78獅 2.△(後手)75獅
3.▲88歩 4.△55歩 5.▲67獅(上図)

なぜ中将棋では、最初に獅子を動かす手がお決まりになっているのか、
今回の講座では、それを説明していきたいと思います。

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この記事の最初に、獅子は1手以内に2回行動ができる、と書きました。
この動き方が"居食い"と呼ばれる、独特の駒の取り方を可能にしています。

居食いとは、"獅子が(2回行動の)1歩目で駒を取り、2歩目で元の位置に戻る"
という動き方のことを指します。

たとえば下のように、
講座1-2a

歩の斜め前に立っている獅子が、

講座1-2

1手目で相手の歩をとり、2手目で元の位置に戻ります。
このようにして、左前にある歩も取ることができますね。

獅子はこのようにノーリスクで駒を取ることができる能力を持っているのです。

本将棋の場合だと絶対に、その場所に行かないと駒が取れないじゃないですか。
講座1-3

ですが、獅子だとその場所に行かなくても駒が取れてしまうのです。

これは、中将棋の獅子の使い方を覚える上での大原則なのですが、
この"居食い"こそが、初手に獅子を動かしている理由の1つなのです。

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下の図は、最初に紹介した中将棋の序盤形の2手目まで、
つまり1.▲(先手)78獅 2.△(後手)75獅とした局面です。

講座1-4

先手は最初に▲78獅と出ていますが、この手が意味するのは、
最初に左右どちらかの仲人を居食いするぞ、と脅す手なのです。

講座1-4a

この図が示す2本の矢印を見て頂ければお分かりいただけますでしょうか。
先手の▲78獅は、次に56か86の地点に立って、仲人を居食いするぞと言っています。

この手に対して△55歩と突いて56の地点に獅子が立てないようにしても、

講座1-4b

3手目に▲86獅となって、仲人はどうやっても取られてしまいます。

先手の▲78獅の攻めを守るためには、後手も同じように△75獅(か△65獅)
とすれば、獅子が仲人の斜め前に立てません。(獅子がただで取られてしまいます)。

講座1-4d


これで、おわかりいただけたでしょうか。

中将棋の始まりでお互いに獅子を出す手が最初にくる理由は、
先手は両方の仲人を取るぞ、と脅しをかけて、
後手はそれをきっちりと守りますよ。
ということなのです。

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1手目、2手目まではわかった。それでは3手目~5手目にはどういう意味があるのか。
という質問がわいてきそうなところです。

実は、3手目,4手目も1手目2手目と本質的には変わらないのです。

ただ、それに関しては次回取り上げることにいたしましょう。

中将棋講座part2 ~序盤戦略・獅子の使い方 後編~
に続きます。
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