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このブログは、中将棋や大将棋などの古将棋、変則チェス・古チェスやフェアリー駒など、             現代では忘れ去られてしまった将棋やチェスのルールや駒たちを再発見・ご紹介していくブログです。              古いものを再発見して、新しい将棋やチェスの文化を発信していけたら、という意味があります。               
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2014年12月23日 (火) | 編集 |
中将棋には駒が21種類、成り駒のみの駒も含めると
29種類の駒が登場するのだが、

その中で、めったに使われない2つの駒がある。
その2つの駒と言えば、

成り鹿_move 奔猪_move

飛鹿と奔猪の2駒である。

この2駒に関しては、中将棋を長く対局している人にであっても、
触ったことすらない駒といえるだろう。

麻雀でいうところの役満のようなイメージがある。

今回は、特に飛鹿をピックアップした中将棋を指してみたので、
ご紹介したいと思う。

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飛鹿将棋

題して、飛鹿将棋。単に、下手の盲虎が裏返っているだけの
中将棋のハンディキャップ対局用である。

盲虎が裏返ったことによって、(中将棋連盟の定める得点上は) 5.8点、
鳳凰が5.7点なので、およそそれぐらいのハンディキャップだ。

ただ、実際に対局すると以外に飛鹿が厄介なのではないかと思う。

今回は、関西の対局会にて、実際にこの将棋を指してきたので、
その盤面図とともに、どんな対局になったのかご覧いただきたい。

上手:宮居氏(中将棋連盟)
下手:A-kasaka

※棋譜はありません。また、時間切れのため途中までの局面図です。


飛鹿将棋1
<局面図1>


序盤は至って普通の駒組み展開で進む。盲虎が裏返っていようが
ここまでの局面ではあまり関係ない。


飛鹿将棋2
<局面図2>


飛鹿が活躍するのは、中盤の局面。2筋や8筋で縦に利く駒が
1枚増えたため、いつもよりもやりやすい感じがあった。

例えば、飛車と向かいあっても、龍王と向かいあっても、
脅威を与えられる駒として、飛鹿はちょうどいい能力を持っている。

8筋のにらみ合いを見ると、下手の方が優位に立っているように思う。
ただ、やはり小駒の利きは重要で、2筋の攻防は、後手の守りが固いため、
なかなか攻め落とすのが難しい。

ちなみに、47の地点にあがった銅将は非常にまずい位置にいる。
後ろの駒を活躍させることができないし、後ろに下がることもできない。
やってはいけない銅将の進ませ方の典型である。


飛鹿将棋2+
<局面図3>


局面図2と3の間に、飛鹿は飛車と交換をすることができ満足。
ただ、別のところでミスをしてしまい、角行⇔龍馬交換と、
鳳凰をただ取られしてしまっている。

この時点で、戦力的には上手の方が高くなってしまっている。
また、2筋にいる飛鹿があまり活躍できていない。
中央で戦端を開いてしまったがために、2筋で駒を組んだのが
中途半端に終わってしまっている感じだ。


飛鹿将棋3
<局面図4>


結局、飛鹿の優位を十分に生かせず、中央に小駒で拠点を
作られてしまったため、ここからの攻めが難しくなってしまった。

今回の対局ではこの辺りで終わってしまったが、
このまま続けても、おそらく難しかったのではないかと思う。

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今回は、飛鹿を使った中将棋の対局をご覧いただいた。

中将棋の対局としては、なんだか新鮮な感覚で対局できた。
ハンディキャップの差もそこまでなく、結局は実力勝負になってしまうのだが。

また、今回は飛鹿のみの使用だったが、下の図のように奔猪も使う
パターンなど、他にもいろいろな対局があってもいいかもしれない。

飛鹿奔猪将棋

ちなみに、中将棋連盟の定める得点では、盲虎⇔飛鹿は2.9点の差
横行⇔奔猪は3.5点の差であり、
上の図で対局すると、12.8点の差がある状態でスタートする。

この差は、麒麟⇔獅子の12.7点に近いため、上手は麒麟を獅子に変えて
2枚獅子で対局すると、下手の戦力とほぼ同じレベルで対局することもできる。
そのような対局のしかたも面白いかもしれない。
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テーマ:将棋
ジャンル:趣味・実用
2014年12月12日 (金) | 編集 |
将棋は未熟なゲームである。

中将棋とは日本の遊戯史上において、
将棋というゲームが発展する途上の産物であり、

あくまで、将棋というゲームが洗練される以前に考案されたものである。

現代での普及度を見れば、明らかなものであろう。

しかしながら中将棋は、洗練されていないがゆえに、
よりそのゲームを面白くする余地が十分にあるということでもある。

例えば、初期配置における駒の数や種類を変化させたり、
成りや持ち駒のルールを拡張することも大いに可能である、と私は考えている。

"おもしろくこともなき中将棋をおもしろく"するために、
中将棋のルールを洗練させるとすればどうすればよいか、
いろいろと考えていこうと思う。

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2.小駒を移動させやすい中将棋

中将棋では、小駒(徒駒)と、大駒の差が大きすぎるように思う。
小駒は繰り出すのに時間がかかってしまい、それゆえに、
活躍をさせるまでに時間がかかってしまうのである。

そこで今回は、中将棋の小駒を少しだけ強化してみるということを考えてみる。

歩_move+ 仲人_move+
銅将_move+ 銀将_move+
猛豹_move+ 金将_move+
盲虎_move+ 酔象_move+

上記の図で、水色で示したマスは、移動のみ可能なマスである。

つまり、駒の移動が大幅にしやすくなるが、獅子に対する影響度や
小駒の連携に関しては、元のものと変わらないようになっている。

チェスでは、初期配置時のポーンは、2マス進むことができ、
また、ポーンは駒を取ることができるマスと、通常移動ができるマスが
違っているのも特徴だ。

そのポーンの特徴を中将棋風にアレンジすると、上の図のようになるのだが、
いかがなものだろうか…。
テーマ:将棋
ジャンル:趣味・実用
2014年05月18日 (日) | 編集 |
中将棋は未熟なゲームである。

中将棋とは日本の遊戯史上において、
将棋というゲームが発展する途上の産物であり、

あくまで、将棋というゲームが洗練される以前に考案されたものである。

現代での普及度を見れば、明らかなものであろう。

しかしながら中将棋は、洗練されていないがゆえに、
よりそのゲームを面白くする余地が十分にあるということでもある。

例えば、初期配置における駒の数や種類を変化させたり、
成りや持ち駒のルールを拡張することも大いに可能である、と私は考えている。

"おもしろくこともなき中将棋をおもしろく"するために、
中将棋のルールを洗練させるとすればどうすればよいか、
いろいろと考えていこうと思う。

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1.詰みを発生させやすい中将棋

中将棋で私がもっとも、"おもしろくない"と感じている部分は、
詰みが発生しにくいことである。

中将棋初期配置

中将棋は初期配置をみる限りでも、勝敗を決する駒――玉将が
多くの小駒に守られている状態からスタートする。

そして、それは対局が進んで200手を越えるようになっても、
ほとんど変わることがない。

200手を越えても、玉の周りはこのような形で守られていることが多い。

アヒル

さらに、多くの場合は3段目や4段目が横行で守られているため、
余計に手を出しにくい。

そのため中将棋は、対局がもつれ込むと小駒を前に出して少しでも
点数を稼ぐような、グダグダなものになることが多い。

私はとくにこの、泥仕合になった状態の中将棋が大嫌いで、
やる気が急激になくなってしまうのである。

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そもそも、中将棋が泥仕合になってしまうか、といえば、
玉の近衛兵たる、"金将"・"盲虎"・"横行"がそれほど価値の高くない駒
であることが理由だ。

中将棋において、飛車1枚と金将2枚では一般的に飛車の方が価値が高く(※)、
守りを崩すための思い切った攻撃というのがしにくいのである。

※中将棋連盟のルールにある駒の点数では、飛車が9.5点、金将が4.4点。

そして、中将棋には多くの小駒が用意されている。
"酔象"・"盲虎"・"金将"・"猛豹"・"銀将"・"銅将"の6種類/13枚である。

これでは、小駒と大駒を交換するような思い切った攻撃がしにくく、
ゆえに泥仕合になる可能性が高くなる。

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つまり、中将棋で詰みを発生させやすくするためには、
小駒を減らせばいいと考える。

例えば、"盲虎"を初期配置から減らしたとすると、
玉の守り駒はおそらく、"酔象"・"金将"・"銀将"になり、

攻めの小駒は"銅将"と"猛豹"になるだろう。

"盲虎"減らしただけで、先ほど図で示したような囲いはできなくなるので、
極端に不安感が増すのではないだろうか。

中将棋初期配置_2

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今回は、中将棋をより面白くするための方策としてひとつ、
中将棋から小駒("盲虎")を取り除いた状態でスタートすれば、

詰みが発生しやすくなるので、より面白くなるのではないかという
結論で締めくくろうと思う。

しかし、まだまだ、中将棋をおもしろくするやり方はあるはずである。

おもしろきこともなき中将棋をおもしろく part2に続きます。
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2013年10月25日 (金) | 編集 |
酔象という駒が出土した、という報道があった。

私はそれほど大事にはならない、と思っていたのだが、
新聞各紙に載ったり、Yahooトピックスに上がったりしていたので、
なかなか、昨今の将棋ブームに乗って大きく報道されているようだ。

平安期の井戸跡から「酔象」の駒 奈良・興福寺の旧境内(朝日新聞デジタル)
adf37769.jpg

となれば、このブログでも当然扱わなくてはなるまい、と
記事を急いで書いている次第である。

<今回はなぜ大ニュースに?>
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なぜ、酔象の出土がここまで大盛り上がりしているか、というと、
今回の出土が、1058年前後のものと推定されたのが理由だ。

いままで、「二中歴」と呼ばれる鎌倉時代の初期に書かれたとされている書物が、
平安時代における将棋の存在を証拠づけていたものなのだが、

今回の出土はそれより以前のものなので、「二中歴」よりも古い
将棋のルーツを示す手がかりになった、というのが大きいのである。

また、二中歴に載っているとされる平安大将棋(→wiki)
には、酔象という駒が登場しておらず、

今まで、鎌倉時代になって中将棋の発明とともに酔象が考案された
という論だったのが、それ以前(平安時代)に違った形で酔象が考案された
可能性を多いに匂わせるものになっているのだ。

この出土が今までとは違った将棋の発展経緯を示す手がかりになるのである。

<酔象の名前について>
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酔象(すいぞう)
酔象_move

"酔象"という名前を初めて聞いた方には、疑問符が付くことだろう。
なぜ"酔っている"のかと。

これには、あくまで想像でしかないのだが、二つの理由が考えられる。

一つは"酔象"というのは非常に凶暴な存在であること。

実は、象を酔わせると暴れまわって手に負えない存在となる。
多くの人々を巻き込む大惨事となることがあったようだ。

そのため、十六小地獄には象を酔わせた者が落ちる地獄(雨炎火石処)があったり、
アメリカのミズーリ州では、象をビールで酔わせることが違法とされていたり、

いずれも、酔った象がもたらす被害が甚大であることを匂わせている。

つまり、"酔象"とは普通の象のようにおとなしいものではなく、
酔わせることで地獄に突き落とされるほど、凶暴な存在だということだ。


将棋

平安時代に考案されたとされている小将棋に酔象を加えたとすると、
その酔象は王将に次ぐ2番目に強い駒となる。

つまり、強い存在・凶暴な生き物というイメージをつけるために、
わざわざ象を酔わせようとしたのかもしれない。

二つめは"象"との区別のため。

チャトランガ

インドで考案された、将棋のルーツとなるゲームには
すでに"象"という駒が登場しているのである。

tyato.png

この"象"は、チェスでいうところの"ビショップ"の祖先にあたるものである。
(なぜビショップ=象となったのかは諸説あるが、
中国でチェスをする際はビショップ=象と訳される)

つまり、もうすでに"象"という駒は使われてしまっているので、
"酔象"という形で、特殊な(強力な)意味を持たせた名前にしたのかもしれない。

あるいは、象=斜めに動くもの、ではないと示すためだったのかも。

この2つの理由はあくまで私の想像でしかないので、
もしかしたら、他に理由があるのかもしれない。
(読者のかたもいろいろ想像してみては…(笑))

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本当は、なぜ太子に成るようになったのか、とか、
香象や白象・象王など、大大将棋や大局将棋に登場する象も扱いたかったのだが、
今回はここで止めておこう。

読者の方で気になった人がいれば、wikipediaを見て頂きたい。
大大将棋wiki 大局将棋wiki

今回の出土は非常に価値のあるものだったそうだ。
将棋の歴史が塗り替えられてしまうのだから。

だが何よりも重要なのは、この(将棋がブームになっている)タイミングで
ニュースで取り上げられて、酔象という駒があったということが
一般的に認知されることに、今回の出土の価値があったのではないかと感じる。

もし、興味があれば、本将棋に酔象を加えた
朝倉将棋なるものも遊んでいただけたらと思う。

朝倉将棋

※ルールは通常の将棋と同じです。ただし、酔象のみ再使用不可(取り捨て)となり、
酔象が敵陣に入ると、"太子"として王将と同じ役割を持ちます。
(→王将が詰まされても負けない)

一度、やってみてはいかがだろうか。
テーマ:将棋
ジャンル:趣味・実用
2013年08月28日 (水) | 編集 |
日本の中将棋連盟が定めている中将棋のルールと、海外で
(あるいは一般サイトで)認識されているルールには、ある明確な違いがある。

それが、"先獅子(せんしし)"のルールだ。

先獅子とは、相手の獅子をこちらの獅子以外の駒で取った場合、
直後の手でこちらの獅子を取り返されることがない、というルールである。

先獅子1

この図はウィキペディアに載っている、
先獅子のルールを説明する際に使われる図である。
※微妙に違うが、本記事の問題提起に影響のない形である。

もし、こちらが角で相手の獅子を取った場合、直後に相手の飛車で
こちらの獅子が取られることはないというものである。
(→それにより、こちらは獅子を取られることなく優位に立つことができる)

このルールは、一般的に広く認識されているルールであり、
海外でもこのように認識されているようである。

※英語のウィキペディアにはこう書かれている。
if one player captures a lion with a non-lion, the opponent cannot
then capture a lion on the next move with anything but another
lion (as a player may have such a second lion by promoting a kirin)

→どちらかのプレイヤーが獅子を獅子以外の駒(non-lion)で取った場合、
相手は獅子を次の手番で取ることはできなくなる。
(麒麟が成った獅子にも適用される)

しかし、中将棋連盟が定めるルールには、この先獅子ルールに注釈がつく。

<以下引用>
-------------------------------------------

3.獅子の特殊ルールの変更について。

⑥.先獅子が適用されるのは、我獅子に足がある場合のみとする。

(中将棋連盟HP・対局規定補足編より)

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四.先獅子の特約
先獅子2

相手の獅子を獅子以外の駒で取ることは、足のあるないに関係なく
いつでも可能です。この図ではどちらの獅子にも相手の駒が当たっていますね。

このような場合で、先に相手の獅子を取った側は、自分の獅子に足が利いている
ことを条件に
先獅子の特約が発動し、相手側は直後の一手で獅子を取り返すこと
が出来なくなります。

(中将棋連盟HP・中将棋講座より)

-------------------------------------------

中将棋の指し方 七段 岡崎史明

(B)先獅子の規約

敵の獅子に味方の駒が当れば、これを取ることが出来る。
この時、敵の駒がわが獅子に当っていても、
足のある場合は直ちに獅子は取れない。
一手間をおいてからでないと取れない。これを先獅子という。先手の得である。

(中将棋連盟HP・岡崎ルールより)

(これらすべての文章は中将棋連盟HPより確認できます。)
-------------------------------------------

つまり、自分の獅子に足がついていなければ先獅子は適用されない。
というルールなのである。

このルールを適用すれば、最初の図でこちらの獅子には足がない状態だ。
したがって、角で相手の獅子を取った後、
相手は飛車でこちらの獅子を取ることが可能
になる。

このルールの食い違いは非常に大きな影響を与える。

例えば下の局面で、
先獅子3

先手は角鷹と飛車を馬で両取りされるというミスを犯してしまった。
そのため、次に2a鷹として獅子取りを狙う。

もし、"獅子に足がなくても発動するウィキペディアの先獅子ルール"なら
次に後手が△b6成馬と飛車を取っても、先手が鷹で獅子をとれば(足がなくても)
発動する"先獅子"によって、馬で獅子を取られることがなく、
先手が優位に立つことができる。

本譜では、この先獅子のルール(足がなくても発動する)を両者が意識したため、
後手は獅子を逃がして、先手は飛車取りを回避することができた。

しかしここに、中将棋連盟の定める先獅子ルールを適用すると、
獅子取りを回避するよりも△b6成馬と獅子の足を消して、
先獅子を発動させなくするという手が、本譜よりも善手となる。

△b6成馬以後、▲75鷹(後手獅子を取る) △b5馬(先手獅子を取る)とすれば、
先ほどに変化に比べて、後手は飛車-成馬交換を成功させているので、
後手は飛車取りを回避させる手順に比べて満足だ。

それどころか、次に先手は鷹を麒麟の利きから逃げなくてはならず、
同時に鳳凰の成りも避けなくてはならない。

この2つを同時に回避する手立てはないので、
後手が大きく優位を築くことができるのである。

-------------------------------------------

別の局面例を挙げる。

先獅子5

この局面では、相手(先手)の獅子に飛鷲で狙いをかけている。

しかし相手の応手は、▲39獅子と獅子を逃がす手ではなく▲5a龍と、
こちらの獅子を狙う手を選んだ。

もし、△27鷲と相手の獅子を取る手を選べば、
こちらの獅子への足がなくなってしまうため、中将棋連盟のルールに基づけば
先手も同様に獅子を取れることになるからだ。

一般的に認知されている先獅子のルールに基づけば、
△27鷲と相手の獅子を取った時点で、こちらの獅子は守られているので
相手は獅子を取り返すことができなくなってしまう。

戦略的にみれば▲39獅子と逃げる先手の応手は、
次の△69獅を避けることができず、非常に劣勢になる。

対して獅子を逃げずに、こちらの獅子を狙う▲5a龍のほうが
この局面では善手になっている。

このとき、私が対局者(後手)だったので、相手は中将棋連盟ルールに基づいて
▲5a龍と指したのだということに勘付いた。そのため、
(相手の獅子を取る手をあきらめ)無難にこちらの獅子を逃がす手を選んだ。

観戦していた外国のプレーヤーから悪手だと突っ込まれたが、
日本では足のない獅子に先獅子は適用されないと説明し、一応納得したようだ。

現在、81dojoではウィキペディアを見て覚えた(多くが外国のプレーヤー)方と、
中将棋連盟ルールに基づいた先獅子ルールをもって指している方が共存している。

私は、日本のプレーヤーに対しては中将棋連盟ルールに沿い、
外国のプレーヤーに対してはウィキペディアルールに沿うという立場だ。

-------------------------------------------

先獅子が有効になる局面というのはあまり多くなく、
同時に、足の利かない獅子が先獅子ルールに大きく影響するということは
今まであまりなかったのかもしれない。

しかし中将棋が有名になり、中将棋大会に外国のプレイヤーを招き…
ということになると、モメる要因の一つになりかねない。

とくに上の対局例では、先獅子ルールの食い違いが大きな優劣の差を
生み出す可能性が高かった。

ただ、中将棋連盟以外のほとんどのサイト(ウィキペディアも含めて)では、
「自分の獅子に足が利いていることを条件に」という文言がついていない。

多くのウェブサイトやプレイヤーの認識が中将棋連盟のルールと
食い違っているというのは、私の実感である。

ドイツの中将棋協会もルール説明はウィキペディアのリンクが張られており、
そちらに準拠しているものと考えられる。(ドイツ中将棋連盟・ルール)

また、この矛盾はは2chでも疑問に上げられており、
スレッドの564-568に記述されているが、結果的に連盟基準に沿う形で決着した。
(2ch中将棋スレッドより)

-------------------------------------------

この問題は、どちらかのルールブックを書き換えなければならないことになるが、
果たしてどちらのルールブックを書き換えるべきか。

これはあくまで私見になるが、中将棋連盟のルールブックを書き換え、
足がなくても先獅子が発動するというルールに書き換えるべきだ。

理由は3つある。

1つめは、あまりに多くのサイトで"無条件での先獅子発動"と書かれている点。
とくに、ウィキペディアを見てルールを学ぶ人が多く、その影響は絶大だ。

"足がないと先獅子が発動しない"というルールは、その矛盾に気づいた人か、
中将棋連盟のルールブックを見てルールを覚えた人しか知らないことだが、
現在、多くのプレイヤーがウィキペディアを見て、"先獅子は無条件に発動する"
というルールを学んでいる。

かくいうわたしも、対局中に指摘されるまで、"無条件での先獅子発動"で
ルールを覚えていた者の1人だ。

2つめは中将棋指南抄になぞらえる解釈をするべきだという理由。
中将棋指南抄によると、

-------------------------------------------

一.獅子は手前の獅子と、てきの獅子、一目間につきあひても、
てきの獅子につなぎ駒あれば、獅子にて、獅子をとらぬ也、
(注:足のある獅子は獅子でとれないことを示す)

然れどもてきの駒両方の獅子の間に何にてもあれば、其駒共につけ取候へば、
喰添とて、獅子にて獅子とる、其獅子をてきのつなぎ駒にて直に取也、
是を楽に獅子をうつといふ、
(注:喰添=付け喰いルールに関する言及)

又はなれたる獅子は獅子にて取、
(注:足のない獅子は獅子で取れる)

又両方の獅子はしり駒にあたれば、先手より獅子をとる、後手其次に獅子をとらず、
一手へて取也、先獅子とて先手の徳也、又歩はくひそへにならぬ也、
(注:先獅子ルールに関する言及)

(中将棋連盟HP・指南抄ルールより)
-------------------------------------------

ここでは、無条件に先獅子ルールが適用されるように書かれている。
(足のあるなしについて言及されていない)

獅子に足のある場合のみ先獅子ルールが適用されるという連盟ルールは、
岡崎ルールによって新しく登場した文言であるということだ。

3つめは、獅子の特殊ルールの目的を考慮した点。獅子の特殊ルールはほとんどが
なるべく獅子が相打ちにならないことを目的として設定されているからだ。

獅子は中将棋の花形で、簡単に相打ちにしてはならない、という考え方が
数々の獅子専用ルールを生み出している。

だが、"足がないと先獅子が発動しない"場合、
獅子が相打ちになる可能性が増加するということになる。

それでは、獅子の特殊ルールの考え方に反しているのではないか。

これら3つの理由から、
私は獅子の足のあるなしに関わらず無条件で先獅子が成立する
(ようにルールブックを書き換える)べきだという意見である。

-------------------------------------------

この記事は冷静に見ると非常に厚かましいものである。
新参者の私が中将棋連盟の定めたルールに口出しをしようというものなのだから。
(しかも、まともな文献を参考にしているものでなく、すべてネットの情報だ)

しかし、実際に対局していて(海外プレーヤーはとくに)"無条件で先獅子が成立する"
ルールでもって手を読んでいる場合が多い。

先獅子の発生する局面は、駒の交換が多く発生する局面なので、
(発生することが珍しいとはいえ)勝敗にかかわる重大な部分である。

ルールブックが変更されようとされまいと、
改めて議論すべき内容であると思い、問題提起させてもらった。
テーマ:将棋
ジャンル:趣味・実用
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